今月の法話

[0013] ガンと同居になった この五体をどうしよう! (2006/04/10)


 仏教では「己の命は御仏の御命を授かる」と申しますから、これに宿る病も同時に「御仏の御命として授かる」と受け止めるべきでしょう。   
 私は小学校二年生の時、肋膜炎を煩い中学校に入るまで病身でわずかな距離を駆けるという運動もできなかった。
 中学一年生の時、体育系の家庭教師から体力増進にいいからと、バレーボールをする事を勧められ、バレーボール部に所属して以来、体を鍛える楽しさを覚え、後に駅伝の選手として二十歳で出家するまで続け、丈夫になる喜びを感じてきた。
 お陰様で以来病知らずの元気印できたが、還暦を迎えるころ職業病とも言われる声帯にポリープができて切除手術をし、幸いに悪性ではなく事なきを得た。三年前には大腸にポリープができて、これは内視鏡による切除手術で良性が確認され安堵したばかりである。
 昨年秋頃からどこが悪いというわけではないが、何となく体のバランスが調わないという不快を感じていた。今年一月、一日ドックに入り精密検査の結果。甲状腺にガンの疑いがあるということで、さらに精密な検査をするための診察日の予約は二ヶ月も先となり、ただいま待機中である。
 甲状腺のガンは進行が遅いのであわてることはないと言う医者の言もあり、差し迫って生命が脅かされるということでもなし、身体に支障が現れているというわけでもないせいか、きわめて落ち着いた生活を送っております故ご安心下され。
 この寺に住職した頃の私は、お酒は飲めないし食事は粗食を好んでいたが。二十五才で住職して以来法事などでの檀信徒との交流、寺の復興、こども育成会・青少年健全育成・町内会・PTA等の役員、ボーイスカウト活動等々社会的交流を重ねる内に、心ならずも美食と飲酒を重ねる事が多くなっていれば、体に余分なポリープといわれる「おでき」や「潰瘍」ができても不思議ではないと思っている。
 この数年の間に、半年前に会った時は元気だったのに、久しぶりに会って「検査入院をしてガンが見つかり手術しました。経過は思わしくない」という方が数人あって。既に三人が六十歳前後で亡くなっている。
 聞けば皆さん同様に医師に言われるままに疑いもなく即手術、放射線照射、抗ガン剤投与という道をたどっておられる事に驚いている。
 今私は、私に宿っているこの「ガン」の病根を断つ事を試みている。
 私はかねてよりガンを患っても、内視鏡などによる簡単な手術はともかく、お腹を開いたり、五体にメスを入れて施術をしなければいけないような手術はしない、健康な細胞まで破壊する抗ガン剤の投与、放射線照射などはせず、自然治癒療法にかけることにしている。
 この度も専門医にガンの疑いがあると宣告された日から九日間の断食に入り、といっても豆乳と野菜ジュースは飲みながら胃腸の大掃除をし、血液の浄化を図るために、食生活を玄米食中心とした菜食に切り替えて様子を見ることにした。お陰様でいつも空腹感があってお腹に力は入らないが気分は爽快である。
 食生活以外はこれまでの生活を変えることなく、ガン細胞の増殖を助けるような食生活をやめて、身体共同体のガンと穏やかに戦いたいと考えている。

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