2018年8月

◇◆知っておいて頂きたい仏語心得◆◇『MOTTAINAI(もったいない)』


「お盆」を迎える前に、皆様にぜひ知っておいて頂きたい言葉として、「施食(せじき)= 別の呼び方では、お施餓鬼(せがき)」がございます。つまり「施食」とは「餓鬼に施す」という意味に通じます。
※「餓鬼(がき)= 生前の悪行の報いによって、六道(天上・人間・修羅・畜生・餓鬼・地獄)の一つである ” 餓鬼道(がきどう)” に堕ちた亡者のことを云います。

この餓鬼道に堕ちて苦しんでいる無縁仏様を供養する法要が施食会(せじきえ)です。当山では、ご先祖さまの霊を供養するお盆の法要と合わせて、例年『盂蘭盆施食会(うらぼんせじきえ)法要』として執り行わせていただいております。

曹洞宗をはじめとする禅宗では、「生飯(さば)」という施食作法があり、これは食事のときに七粒ほどの米粒を供養するもので、これにより供養されない亡者(もうじゃ)や、生前に犯した罪によって飢え苦しむ餓鬼道に堕ちた仏様に施す作法です。もし宜しければ、頭の片隅にでも入れておいてください。

上記の内容を踏まえて...この度の本題に移りますが、さて皆さん「食品ロス」という言葉をご存じですか?
まだ食べられるのに廃棄されてしまう(無駄にする=ロスする)食品のことを言います。日本では、年間646万トンもの食品ロスがあると推計されています。国民一人あたり、毎日お茶腕1杯分のご飯が食べられずに捨てられている計算になるそうです。※今もなお、8億1500万人(世界人口の9人に1人)が飢餓で苦しんでいる状況にも関わらずです。

例えば、皆さんも宴会でお開きになり席を立つ時に、食べきれずに残された料理を目にして「もったいない」と感じたことがありませんか?これらも食品ロスに当たります。そんな食べ残される料理をできるだけ減らすのを目的に、地方のある自治体では数年前から「30・10(さんまる・いちまる)運動」という取り組みが行われています。宴会の乾杯から30分間はお酌などで席を立たずにまずは料理を楽しみ、そしてお開きの10分前には自分の席に戻り残った料理をいただきましょう!と呼びかける運動です。

※因みに、現在世界共通言語となった「MOTTAINAI(もったいない)」の語源は、そもそも仏教に由来しています。

以下、<ウィキペディア(フリー百科事典リンク)より引用開始>
もったいない(勿体無い)とは、仏教用語の「物体(もったい)」の消失を意味するものであり、物の本来あるべき姿がなくなるのを惜しみ、嘆く気持ちを表しています。元来、「不都合である」、「かたじけない」などの意味で使用されていた言葉が転じて、現在では、一般的に「物の価値を十分に活かし切れておらず、無駄になっている」状態やそのような状態にしてしまう行為を戒める意味で使用されています。<引用終了>

日頃から食事は必要な分だけ用意し、それを残さずいただくことが大切です。万物(食べ物一つ一つ)の命をいただいて、自分の生命が成り立っていることをしっかりと受け止め、食べ物を粗末にしないように心掛けて参りましょう!!

それでは、手と手を合わせて「いただきます!」

合掌

平成30年”盂蘭盆施食会法要”厳修


暑中お見舞い申し上げます。

 本年8月6日に毎年恒例の盂蘭盆施食会法要を下記の通り厳かに執り行いました。

お暑い中、多くの方にご参拝頂き、関係者一同大変感謝致します。

時節柄、くれぐれもご自愛ください。

合掌