スカウト活動の起源
 スカウト活動は1907年、イギリスのロバート ベーデン・パウエル卿(B・P)が自らが隊長となって、イギリスのブラウンシー島で20人の少年たちとともに実験キャンプを行ったのが始まりです。B・P卿は軍人時代に優秀なスカウト(斥候)であり、自らが体験したキャンプ生活や自然観察、自然体験を子どもたちの旺盛な冒険心や好奇心と結びつけ、そこから開発したゲームや活動を通じて子どもたちに自立心や協調性、リーダーシップを身につけさせ、社会に役立つ人材を育成することを目指しました。

スカウト活動は世界共通
 スカウト運動の目的・教育システムは世界共通で、設立以来、人種・宗教・言語など、あらゆる違いを越えて、世界中の青少年・少女の友愛を深めることを目指した活動が積極的に展開されています。
 ボーイスカウトは、世界で216の国と地域で2900万人以上(平成13年8月末現在)が活動に参加しており、ボーイスカウトの世界組織である「世界スカウト機構」には、現在151の国と地域の組織が加盟しています。

日本におけるスカウト運動
 ボーイスカウト活動は、1908年(明治41年)に日本に伝わりました。当時、全国各地には色々な少年団(当時はこう呼んでいました)が数多くありましたが、全国的な統一への動きが起こり、1922年(大正11年)に「少年団日本連盟」が創立され、国際連盟に加盟しました。
 現在、ボーイスカウト日本連盟は、全国47都道府県に県連盟と事務局を設置し、全国的な活動を展開しています。活動は各県連盟の自主性と独自性を重んじ、地域に根ざした活動を行っています。各県連盟は、おおよそ行政単位ごとに地区を構成し、その下に団・隊が組織され約22万人もの人たちが活動しています。

新しい体験を通して成長する活動
 スカウトとは、「先駆者」の事で、「自ら率先して幸福な人生を切り開き、社会の先頭に立とうとする子どもたち」という意味を持っています。人種、信仰などの区別なく、すべてに開放されており、キャンプや奉仕活動を通じ、学区や学年を超えた地域社会における教育活動です。そしてその教育には子どもたちが自ら成長できるよう段階的なプログラムが用意されています。
 活動は、学校や家庭では達成しにくい部分を補完していくもので、楽しいゲームやハイキングを行うことによって自らの能力を開発し、子どもたちが自分の知識および探究心、発見や理解を広めたいという願望を満たしていきます。
 子どもたちの体力や健康、協調性やコミュニケーションの能力、リーダーシップ、心の平和といった、一人の人間として身体的、知的、社会的、精神的発達を促す活動です。そしてこの活動に参加することによって新しい体験を積み、世代間の隔たりを乗り越え、互いに理解しあい、子どもたち自らが成長していくためのものです。

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